好酸球性副鼻腔炎(ECRS)とは?
再発しやすく難治性の副鼻腔炎で、厚生労働省の指定難病(306)にも含まれる病気です。
一般的な副鼻腔炎と違い、好酸球(白血球の一種)という免疫細胞が副鼻腔粘膜に大量に集まることで強い炎症を起こし、両側性の鼻ポリープ(鼻茸)が多発します。
■好酸球とは?(読み方:こうさんきゅう)
好酸球は、血液中に存在する 白血球の一種 で、
特に アレルギー反応 と 寄生虫への防御 に関わる重要な免疫細胞です。
(白血球の中でも「顆粒球」というグループに属します。)
主な特徴
- 両側の鼻に多発性の鼻ポリープができやすい
- 嗅覚障害(においを感じにくい)が非常に起こりやすい
- ねばつく鼻水(粘性・黄白色)
- 鼻づまりが強く、口呼吸になりやすい
- 気管支喘息・アスピリン不耐症を合併しやすい
- 風邪やウイルス感染で急激に悪化しやすい
原因
完全には解明されていませんが、
- アレルギー体質
- 免疫バランスの異常(Type2炎症:IL-4/IL-13 が関与)
- 遺伝的要因
が関係していると考えられています。
検査
- 鼻内視鏡検査(ポリープの状態確認)
- CT 検査(篩骨洞を中心に強い陰影)
- 血液検査(好酸球増加)
- JESREC スコアによる診断基準
治療
一般的な薬物治療では治りにくく、再発しやすいのが特徴です。
- ステロイド(点鼻・内服)
- 内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS):ポリープ除去・副鼻腔の換気改善
- 生物学的製剤(デュピルマブなど):重症例に有効
- 鼻洗浄(生理食塩水)で症状のケア
- アレルギーや喘息のコントロール
※治療後も再発予防のため継続的な通院とケアが重要です。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)とは
副鼻腔に炎症が12週間以上続く病気の総称で、昔から「蓄膿症」と呼ばれてきたものです。
好酸球性副鼻腔炎は、この慢性副鼻腔炎の中の一分類に当たります。
主な症状

- 鼻づまり
- 黄色~緑色の膿性鼻汁
- においがしにくい
- 頭痛や頬・額の痛み
- 後鼻漏(鼻水が喉にまわる)
主な原因
- 風邪やウイルス感染が治り切らず慢性化
- 細菌感染
- アレルギー性鼻炎
- 鼻中隔湾曲症など構造的問題
- 歯の炎症(歯性上顎洞炎)など
一般的な治療
- 抗生物質(マクロライド系の長期少量投与が有効な場合も)
- 去痰薬・ステロイド点鼻薬
- 鼻洗浄
- 改善しない場合は内視鏡下副鼻腔手術(ESS)
嗅覚障害について
嗅覚障害(きゅうかくしょうがい)とは、「においを正しく感じられなくなる状態」 のことを指します。
においを感じる経路(鼻の中 → 嗅神経 → 脳)がどこかでうまく働かなくなることで起こります。
嗅覚障害には大きく 2 種類 あります。
❶ 量的嗅覚障害(においの強さが変わる)
嗅覚低下:においが弱く感じる
嗅覚脱失:全くにおいを感じない
❷ 質的嗅覚障害(においの感じ方が変わる)
刺激性異嗅症:実際ににおいがある場で「違うにおい」に感じる
自発性異嗅症:においがないのににおいを感じる
嗅覚倒錯:不快なにおいに感じやすくなる
嗅覚障害によって起こりやすいこと
●食べ物の味が薄く感じる/風味がわからない
→ 味覚は嗅覚と密接に関係があるため食事が楽しめなくなり、食欲低下・体重減少の可能性が高まる
●ガス漏れ・腐敗臭に気付けないなど危険回避が難しくなる
●感情面への影響
香りは記憶や情緒と深く結びついており、匂いを感じられないことで気分の落ち込みにつながることもあります。
「放置しない」がいちばんの治療
耳鼻科の領域では、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、花粉症などに対する治療が嗅覚回復の鍵となるケースが多くあります。
適切な薬物療法や鼻の通りを改善する処置により、においが戻るケースは決して少なくありません。
一方で、治療開始が遅れるほど改善しにくくなる傾向もあるため、
「最近においが分かりにくい」
「風邪が治ったのに、においだけ戻らない」といった症状があれば、早めの受診が重要です。
好酸球性副鼻腔炎(ECRS)と嗅覚障害の強い関連
好酸球性副鼻腔炎(ECRS)は、嗅覚障害を特に高率かつ重度に起こすタイプの副鼻腔炎とされています。
◆ 理由
・両側性多発ポリープにより嗅裂の閉塞が強い
・好酸球(白血球)が嗅上皮に浸潤し神経細胞を傷つける
・Type2炎症(IL-5, IL-13など)による嗅上皮障害
そのため、普通の慢性副鼻腔炎と比べ「嗅覚障害が強い」「改善しにくい」「再発しやすい」という特徴があります。
つらいアレルギー症状はお早めにご相談ください
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